昨日記事にした迪化街お買い物スポットもでしたが、本日お伝えする「彩虹眷村」も、知らない方がいないのではないかというくらい、言わずと知れた台湾の観光地です。
レインボービレッジは彩虹村、彩虹芸術公園とも呼ばれており、もともとは1660年ごろに作られた、戦争により行き場をなくした大陸出身の兵士とその家族のための集合住宅地でした。
同様に作られた集合住宅は、2000年前後に取り壊されることが多かったのですが、ここに住んでいた黄さん(香港出身)が立ち退くことを拒み、2008年8月から自宅やその付近の建物に絵を描くように…
物事がどうなるのかはなかなか想像がつかないもので、その絵を描くという行動が少しずつアートとして注目を集めることとなり、黄さんのカラフルで可愛い絵を見た人たちにより集合住宅地一体の保存運動がおこりました。
結果、現在のように彩虹芸術公園として、辺り一体とともに建物も保存されることになりました。
まわりには広々とした駐車場、大きな遊具のある公園や砂場付き滑り台もできており、公園としてしっかり綺麗になっています。
奥に見えますが、同じ敷地内に黄おじいさんが住む住宅がしっかり保存されていて、そちらがすっかり有名になったアートな建物。ということなのです。
(現在は引越し済み)
しかし、こちらのレインボービレッジ。
これまでにもさまざまな問題やトラブルが発生していました。
観光地化して行くにつれて、おじいさんだけでは手が回らないとのことで、市から委託を受けグッズ販売やウェブサイト管理を別会社が担っていました。
また、この企業の職員たちがおじいさんの絵を真似する形で建物にどんどん絵を描き進めていき、いまとなってはおじいさんが実際描いた絵はほんの1割程度にすぎないとのことです。
そのような状況のため著作権や収益に関してのいざこざが発生。トラブルがる長期に渡り続いていました。
そこにさらに、土地や建物を管理しているという市が「老朽化のため補修工事をする」とのことで、上記の管理企業に立退きを依頼。
結果、今年の2022年8月にニュースになっていた通り、管理企業の職員たちが、抗議の意を示すために自分たちが描いたと主張している建物の壁をペンキで塗りつぶすという事件が起こりました。
当時、まだ詳しいことがわからない状況であった時点では、多くの人が「おじいさんの大事な作品にペンキを塗るとは!ひどい!」
と感じていました。
もちろん、おじいさん自身も悲しみの声明を発表されていました。
でも、実際のところはもっともっと深いところで絡まっている問題なのですよね。
その後、公式に「来年一月末まで老朽化による建物の修復作業を行うため村を封鎖します」との発表がありました。
現在は、修復作業中と見られ柵で建物が囲まれているようですね。
中が見えなくなっていますし、一月末と言われている作業も実際のところ確実ではありませんので、観光にて訪れようと思われている場合はご注意いただきたいと思います。
数年前までは本当に多くの観光客で賑わっていていたレインボービレッジ。
来年一月以降、修復作業によりどのようになったのかお伝えできればと思っています。